ここはAngelBreathです

 

 

バレエ 眠れる森の美女

「青い鳥」のお話

 

 

ブルーバードの名前も踊りも、バレエをやっている

なら知らない人はいないくらい、有名な踊りなのに、

そのもともとのお話を知る人は案外少ないみたい。

 

踊りを表現するときにその背景やストーリーは

欠かせないものですよね!そこで、

お友達に聞いたことを元に本を探してみました。

古すぎて廃盤になっているようなので、まず英文を

訳し、その後、翻訳本と照らし合わせ、そして勝手に

Angelのコメントをちょっぴり入れつつ、

これからブルーバードを踊る、という方のために

このページに残しておくことにしました。

 

 

 

 

昔、ある国の王様がお后を亡くし、同じように夫に先立たれた女性と再婚をしました。

王様にはFiordelisa(翻訳ではフロリーヌとなっています)という名前の

「世界の8つの不思議」と言われるくらい可愛い娘がいます。

名前の由来は花の女神、「フローラ」にそっくりだから。

そして、新しいお后にはTurritellaという先の連れ子がいます。

「トリュトンヌ」というあだ名だそうで、その娘の顔にはそばかすが一杯で鱒

(トリユット)そっくりだったからです。

お后はあらゆる点でフロリーヌがトリュトンヌよりもすぐれているのが悔しくて

たまらず、何とかしてフロリーヌを陥れようと悪巧みをしない日はないのですが、

心優しく賢いフロリーヌはそんな嫌がらせにも気付かないふりをしておりました。

 

ある日、王様は年頃になった娘フロリーヌに結婚をさせようと思うのですが、

お后は自分の娘トリュトンヌの方が年上なので、順番は先だと主張。

王様は黙認します。

 

そして、Charming・・・これはシャルマンです!意味はそのまんま、チャーミングとか

魅力的とか。

シャルマン王が王国にやってきました。

女王はフロリーヌのドレスや宝石をすべて盗み(!)トリュトンヌを着飾ったのですが、

シャルマン王はフロリーヌしか目に入らない様子。

お后の悪巧みで粗末で垢だらけの服を着ていたにもかかわらず、フロリーヌのその

美しいこと!

シャルマン王はしばしボーっと見惚れて、その後3時間に渡り、フロリーヌを誉め続け

ました。

怒った女王は王子がいる間、フロリーヌを高い塔に閉じこめて会わせないように

しました。

そしてあらゆる手を使い、たくさんの贈り物を王に送り、トリュトンヌと結婚させよう

とするのですが、それがトリュトンヌからだと知ると王はそれを拒否し、フロリーヌに

会えないのはこの怪物(そこまで言う?!)のせいだと

怒ります。

またまた怒った女王、シャルマン王に「あなたが帰るまでフロリーヌを塔に閉じこめる!」

と言いました。

王はフロリーヌと少しだけでも話がしたいと頼みました。

よこしまな女王はそこで悪巧み。

暗闇の中で、フロリーヌのふりをしたトリュトンヌとシャルマンを会わせます。

騙された王、なんと、フロリーヌと間違えて自分の指輪を抜いてトリュトンヌにはめ、

永遠の愛を誓い、結婚の約束をしてしまうのですっ!!

おお・・・なんで間違えるかな。

いくら暗くても・・・

 

そこにもう一人登場人物が。(トリュトンヌの代母であり悪いフェアリー)Mazilla

(翻訳ではスーシオとなっています。)

トリュトンヌに言います。

「王を騙し通すのは難しいよ、フロリーヌを愛しているからね。」と。

騙されたことを知ったシャルマン王、結婚式を拒みます。(そーだそーだ)

スーシオは何とかして二人を結婚させようと、脅したり甘いことを言ったり、

まる20日ものあいだ(!)説得し続けるのですが、

「例え、殺されて皮をはがれても、私はフロリーヌのもの。私の心は変わらない。」

とシャルマン王。(いいぞ、いいぞ)

「婚約しておいて守らなかった罰を7年間受け続けるか、トリュトンヌと結婚するか」

と言われ、それでも頑なに結婚を拒んだ王は罰としてその姿を青い鳥に変えられて

しまいます。

そうです、青い鳥は本当は王様だったのです〜〜

 

そしてお后はシャルマン王がトリュトンヌと結婚することになったとフロリーヌに嘘を

付き、シャルマン王の指輪をこれみよがしにフロリーヌに見せます。

絶望したフロリーヌ、「私はもう喪服しか着ないし、それどころか死んでしまおう。」

と叫んで気を失ってしまいます。

お后は、フロリーヌが気が狂ったと嘘をつき、正常に戻るまで塔に閉じこめておくことを

王に許可させるのです。

しかーし!

青い鳥になったシャルマン王、いとしいフロリーヌが塔に閉じこめられていることを

知り、飛んでいって嘆き悲しんでいるフロリーヌに真実を述べます。

二人が会えた喜びは言葉には表せないほどでしたが、今度はフロリーヌは青い鳥のこと

が心配で夜も眠れません。

「狩人に撃たれやしないか、ワシやハゲタカにおそわれやしないか。」

一方、青い鳥は罪が許されてフロリーヌと結婚できる日を今から指折り数えて、

待ち遠しくて気が狂いそうでした。

姫の喜ぶことは何でもしようと、自分の国の宮殿から宝石をフロリーヌのところへ

持っていきます。

そうやって何年ものあいだ、自分の宝石をフロリーヌに届けて慰めます。

 

一方、女王はそれからもトリュトンヌの結婚相手を探し続けるのですが、何人もの人に

断られます。

まあ、性格悪いからね。「フロリーヌならいいけど。」という断られ方にまたぶち切れるお后。

そんなんで腹を立てて、またいじめようと塔に行ったあるとき、青い鳥とフロリーヌが

一緒に歌っているのをみつけ・・・

フロリーヌは窓を開けて青い鳥に逃げるように言います。

そして危険なのでしばらくはここに来ないように言います。

女王はたくさんの宝石を見て、フロリーヌが良からぬことをたくらんでいるのではと

いぶかしく思い、反逆罪で起訴しようとするのですが、姫が心配でずっと見守っていた

青い鳥がそれを阻止します。

簡単に言えば偽造書類を置くのを見破ったんです。

 

その後もお后がフロリーヌにスパイをつけて宝石の秘密を暴こうとしているので、

青い鳥を塔に近づけることが出来ません。

「ああ、いとしい青い鳥ともうお話も出来ないなんて。二人で不幸を慰め、愛情を

確かめて、とても幸せだったのに!」

姫の目から滝のように涙が流れます。

青い鳥もどんなに苦しみ、嘆き悲しんだことでしょう。

こうして会えない日々が1ヶ月続きます。

 

ある時、スパイがぐっすりと眠っているのを見てフロリーヌは歌います。

「空より青い、私の小鳥、今すぐここに飛んできておくれ」

青い鳥はいちもくさんに姫のところに飛んでいきました。

また会えた喜びはいかばかりのものだったでしょう!

そして見張りが目を覚ます頃、二人は辛い別れを交わします。

そんな風にして翌日も、その翌日も、真っ暗闇の中、愛を語り合うのですが、

四日目の夜、スパイは、月明かりに世にも美しい鳥が、足で姫を愛撫したり、やさしく

口づけしたりして、まるで恋人のように話しかけているのを、そして姫もそれに優しく

応えているのを見てしまいました。

スパイの報告を聞いたお后はその鳥はシャルマン王に違いない、

あの生意気な子が悲しんでいると思いきや、恩知らずの男と仲良くしていたなんて!

誰もがびっくりするような血まみれの復讐をしてやる!と言います。

ああ、どこまでもおそろしい。

 

フロリーヌがいつものように歌を歌っても小鳥はやってきません。

意地悪なお后は小鳥がとまっている杉の木に剣や剃刀、匕首などを何本もぶら

さげるように命じたので、青い鳥が飛び立とうと羽を広げると、刀で足を切りました。

倒れて羽も切りました。

体中傷だらけになってしまった王の痛ましい姿をフロリーヌがもしも見たら、死んで

しまったかもしれません!

けれども、こんな意地悪な仕掛けをしたのはフロリーヌだと信じてしまった王

(なんでーっ?!)は苦しみます。

「私の純粋な恋にこんな風に答えるなんて。死んで欲しいならどうしてそう言ってくれ

ないのです?あなたに殺されるなら喜んで死ぬのに。こともあろうに、私達の敵に売る

なんて!」

こんな悲しい考えにうちのめされ、このまま死んでしまおうと思います。

 

さて、シャルマン王の親友の魔法使いは、王を探して地球を8回、まわりました。

そして血まみれになって倒れている青い鳥をみつけ、それが王であることを知ります。

そしてシャルマン王を連れて帰ります。

そうこうしているうちに数年後、フロリーヌの父が亡くなります。

そうなると民衆はフロリーヌこそお后にふさわしい、フロリーヌを解放せよと暴動を

起こし、悪い女王をやっつけました。

トリュトンヌはスーシオのところに逃げました。

そして女王になったフロリーヌはそれからシャルマン王をみつけるため、王子が

フロリーヌにくれた宝石を持って一人で旅をします。

 

シャルマン王の友人の例の魔法使いとスーシオは話し合い、

(妖精と魔法使いは兄弟みたいなものらしい)

シャルマンを元通りの姿に戻すかわりに、結婚を決意するまで宮殿にトリュトンヌを

おくことにします。

王はもとのままの賢く美しい姿に戻りますが、トリュトンヌと結婚するなど考えただけ

でもぞっとするので、何とかしてその日を延ばしてもらおうとばかり考えていました。

 

そんなところに、髪を乱し、麦わら帽子を深くかぶって変装したフロリーヌ、とうとう

シャルマン王の城を探してやってきます。

泉で出会ったおばあさんにもらった4つの卵のおかげでさまざまな困難も乗り越えて。

それなのに、お城ではあのトリュトンヌとシャルマン王子が結婚するという話に。

「青い鳥がやってこなくなったのはこの結婚のためだったのね。

私はこんなに苦しんでいたのに、心変わりなさって、こともあろうにあのトリュトンヌ

と結婚するなんて。」とまたまた誤解します。

ああ、恋する二人はいつだって、好き過ぎて、こんな風に誤解が生じるんです。

 

それでも、フロリーヌは王がまだ小鳥の姿をしていたときに話に聞いていた

「こだまの間」に寝泊まりする計画を建てます。

そこはいくら低い声で喋っても、上で寝ている王のところまで声が聞こえるという部屋

です。

フロリーヌは王の心変わりを責めてやろうと思いついたのです。

「あなたは私を捨ててトリュトンヌと結婚なさるのね。どうして約束をお忘れに

なったの?あなたが青い鳥に変えられたことも、私の愛も、みんなお忘れになって

しまったの?」

フロリーヌは二人の間の思い出をめんめんと語り続けます。

王はその声をはっきりと聞きます。恋の思い出、素晴らしい恋人の姿、それと同時に

つらい別れを思い出し、その痛みはぶら下がった刀で羽を切られた時と同じほどでした。

「ああ、姫よ、あなたこそ恋人にあまりな仕打ちを。敵に私を売るなんて、まだ信じ

られない。」

そして、二人はやっと再会します。

その姿を見ると恨みなどはすっかり忘れ、天にも昇る気持ちで胸が詰まり、息も出来

ないくらい。

 

あーあ、これだから恋人同士の喧嘩って首突っ込みたくないのよね。

どんなに喧嘩してても、顔見るとあっという間に仲直りしちゃうんだもの。

やっと誤解がとけて、最後にはハッピーエンドとなったわけです。

 

そしてあの悪い魔法使い、スーシオが二人にこれ以上悪さできないように良いフェアリー

(4つの卵をくれた人ね)が保証してくれました。

トリュトンヌはまたジャマをしようとしたのでふくろうに姿を変えられてしまったとさ。

翻訳ではぶうぶう文句を言う雌豚に変えられたとありますが、ま、どっちでもいいか。

そしてこのお話は、ちっとも愛し合ってない二人が欲得ずくめの結婚や、気まぐれで

する結婚はいけません、無理な結婚をしても、愛がなければそれは不幸な鎖に過ぎない

という教訓もあとに書かれているようです。

愛を貫いたシャルマン王子、あっぱれ。

そして自分の足で愛する人を探したフロリーヌ、万歳。

 

そんなわけで、「ブルーバード」のグラン・パ・ド・ドゥは強くやさしい愛の喜びに満ち

あふれた踊りをしてくださいね。

私は小鳥の姿に変えられたシャルマン王と毎晩塔で語り合うシーンを思い浮かべながら

踊りました。

 

 

このお話は1697年にオーノワ婦人という方が書いた「フランス妖精物語」の中の

「ロゼット姫」という童話集に入っています。(東洋文化社:上村くにこ訳)

参考資料:

http://en.wikipedia.org/wiki/The_Blue_Bird_%28fairy_tale%29

 

「このページのお話をコピーなさりたい方は上記の著作権などにご注意の上、

ご使用下さいね。ただし、和訳した文章はAngelの身から出たものなので

そのままご自分のものとしてwebや書面でお使いになるのはおやめ下さい。

ちょっと変えたからばれないと思わずに(笑)お知らせ下さいませ!

みなさんが素敵に舞台でフロリナを踊りきれますように♪

心から応援しています。

 

 

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文章:Angel

AngelBreath http://www.seaple.icc.ne.jp/~kasumi/

 

 


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